起立性調節障害(OD)でも諦めない。「内申点」を戦略的に守り、伸ばすための考え方
高校入試を考える上で避けては通れないのが「内申点」。
当日の試験結果+内申点が合否にかかわってくるのでかなり気になるところだと思います。
「内申点を上げるために、毎日登校し、授業に参加し、提出物を期限までに出す」。
これが塾や学校で教えられる王道のルールです。しかし、朝起きられない、体調が安定しないODのお子さんにとって、このルールは「守りたくても守れない」高い壁です。
では、ODのお子さんは内申点を諦めるしかないのでしょうか?いいえ、決してそうではありません。「一般論」を「OD仕様」にカスタマイズする視点を持てば、今の体調の中でできる最善の戦い方はあります。
そもそも内申点とは?「今、どこに住んでいるか」で対策は変わる
そもそも「内申点」って何?なぜそんなに悩ましいのか
内申点(調査書)について、まずはその仕組みを整理しておきましょう。ここを正しく理解することは、いわば「ゲームのルール」を知ることです。
内申点とは、一言で言えば「中学校での日々の頑張りが数値化されたもの」であり、高校入試の合否を左右する非常に重要な判断材料です。一般的に、以下の要素で構成されています。
- 9教科の成績(評定): 中学校の定期テストの結果だけでなく、授業の提出物や小テストなども加味されます。
- 出席日数: 多くの学校で「どれだけ欠席せずに登校したか」が数値化されます。
- 学校生活の様子: 授業態度、活動、リーダーシップなど、担任の先生による「意欲・関心・態度」の評価が含まれます。
なぜODのお子さんを持つ親御さんが、これほどまでに内申点に怯えてしまうのでしょうか。
それは、この評価基準の多くが「毎日、一定の時間に登校し、授業に参加し、提出物を期限までに出す」という「安定した通学」を前提としているからです。
起立性調節障害という、本人の努力ではどうにもならない身体の不調を抱えているお子さんにとって、この基準は非常に厳しく、理不尽に感じられることも多いでしょう。
しかし、高校入試というシステム上、この数字を完全に無視することはできません。
だからこそ、まずは「この仕組みの中で、どうすれば減点を最小限に抑え、自分の価値を証明できるか」を冷静に考える必要があります。
「内申点」という評価軸に振り回されるのではなく、「この評価軸の中で、自分の子どもをどう見せるのが最善か」という戦略的な視点を持つことが、合格への第一歩です。
とはいえ都道府県により内申点の配点や計算するときの対象学年に違いがあります。
その一例を下記に上げます。
3地域の内申点計算・配点比較表(2026年度入試基準)
| 地域 | 内申点の対象学年 | 計算の重み(比率) | 特徴的な計算式 |
| 東京 | 中1・中2・中3 | 中1:中2:中3 = 1:1:2 | 実技4教科を2倍にして換算(65点満点) |
| 大阪 | 中1・中2・中3 | 中1:中2:中3 = 1:1:3 | 中3の成績が極めて重要 |
| 兵庫 | 中3(1・2学期) | 中3のみを対象 | 主要5教科×4倍 + 実技4教科×7.5倍(250点満点) |
地域別のポイント解説
【東京】「積み重ね」と「実技教科」がカギ
- 仕組み: 中1からの成績がすべて積み上がります。中3の成績の重みが中1・中2の2倍あるため、最後まで逆転が可能です。
- 重要ポイント: 実技4教科(音楽・美術・体育・技家)が2倍換算されるため、「主要5教科が苦手でも、実技で稼ぐ」という戦略が非常に有効です。
【大阪】「中3」の比重が圧倒的
- 仕組み: 大阪は中3の成績が全体の6割(3/5)を占めます。1・2年の内申が低くても、中3でオール5に近い成績を取れば、合格ラインを一気に押し上げることができます。
- 重要ポイント: タイプⅠ〜Ⅴという選抜方法があり、高校によって「内申点:学力検査」の比率(3:7〜7:3)が異なります。志望校がどの比率を採用しているかを調べるだけで、対策すべき優先順位が変わります。
【兵庫】「中3」のみで決まる短期決戦
- 仕組み: 中1・中2の成績は基本的に影響せず、中3(1学期と2学期)の評価で250点満点が算出されます。
- 重要ポイント: 5教科だけでなく、実技4教科の配点比率が非常に高いのが特徴です(主要5教科は4倍、実技4教科は7.5倍)。つまり、兵庫県では実技教科が内申点アップの最大の武器になります。
1. 一般的な「内申点アップの定石」と、ODの現実
まず、一般的な基準を知っておくことは大切です。しかし、それをそのまま実行するのではなく、優先順位を整理しましょう。
| 項目 | 一般的な塾の教え | ODのお子さんのための戦略 |
| 出席日数 | 「毎日登校して出席を稼ぐ」 | 「無理な登校は控え、別室登校や相談の活用を優先」 |
| 定期テスト | 「高得点を狙う」 | 「エネルギー配分を集中させ、テスト日だけは行く」 |
| 授業態度 | 「積極的に手を挙げて発言する」 | 「欠席しても補習や提出物で熱意を伝える」 |
| 提出物 | 「期限厳守で完璧にこなす」 | 「先生と相談し、提出期限の猶予をもらう」 |
2. 戦略的アプローチ:ODのお子さんがとるべき3つの手
① 「出席の壁」を交渉でクリアする(別室登校・学習支援の活用)
多くの親御さんが誤解していますが、内申点は「教室の席に座っている時間」だけで決まるわけではありません。
- 別室登校の活用: 「教室には入れなくても、学校には来ている(別室にいる)」という実績は、評価の対象になります。
- 出席扱いの制度: 病院やフリースクール、あるいは自宅学習でも、学校との連携次第で「出席扱い」になるケースが増えています。学校の担任や進路担当者と「どうすれば出席と認められるか」を相談するだけで、道は大きく拓けます。
② 「定期テスト」にエネルギーを全振りする
内申点の大きな比重を占めるのが定期テストです。毎日通学して体力を削るよりも、**「テストの日だけは体調を整えて必ず受ける」**という戦略は非常に賢い選択です。
- 体調管理の優先順位: 「毎日登校」ではなく「テスト週間に向けて体調を合わせる」ことを最優先してください。
- 結果の重要性: テストで良い点数をとれば、たとえ出席日数が少なくても、「学力がある」という証明になり、先生からの評価も覆すことができます。
③ 提出物は「相談」が鍵。交渉力を味方につける
ODのお子さんが一番苦しむのが提出物です。期限通りに出せない自分を責める必要はありません。
- 事前相談: 先生に「提出物は必ずやり遂げますが、体調に合わせて時間をください」と伝えておく。
- 質でカバー: 期限ギリギリでも、丁寧な内容で提出すれば、「やる気はある」と判断されます。先生を味方につける交渉力こそ、現代の受験戦略です。
3. なぜ「治療院」がこのアドバイスをするのか
「塾の先生は勉強を教えるプロですが、私たちは身体と自律神経のプロです」。
どれだけ良い受験戦略を立てても、お子さんの身体が動かなければ、その戦略は実行できません。
私たちが目指すのは、**「受験のために無理をさせること」ではなく、「志望校に行くための基礎体力(エネルギー)を施術で底上げすること」**です。
- 施術で自律神経を整え、午前中の体調を安定させる。
- 学校と交渉するためのエネルギーを確保する。
- 心理的な不安をケアし、自信を持って先生と話せるようにする。
受験戦略と身体のケアは、両輪です。内申点の心配は、どうか一人で抱え込まないでください。学校側とどう交渉すれば良いか、今の体調でどこまでなら可能か。その整理をお手伝いするのが、当院の役割です。
どの学校形式が自分たちに合うかを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください

