「起立性調節障害は水を2リットル飲むべき?」無理に飲ませる前に知っておきたい、胃腸に優しい正しい水分・塩分補給法

「病院で『1日に1.5〜2リットルは水分を摂りなさい』と言われたけれど、我が子はコップ1杯飲むのがやっと……」 「『水を飲みなさい!』と言いすぎて、子供と毎日のように喧嘩になってしまう」

起立性調節障害(OD)のお子さんを抱え、病院の先生からのアドバイスをなんとか守ろうと、毎日必死に声をかけていらっしゃるお母様。本当によく頑張っていらっしゃいますね。

水分は必要は本当、摂らせ方に工夫を

結論から、プロとしての意見をお伝えします。 「動けない我が子に、無理やり2リットルの水を飲ませる必要は、一切ありません。むしろ、弱っている胃腸に無理に水を流し込むのは、頭痛やだるさを悪化させる原因になります。」

「えっ? でも、なんで病院の先生はそんなに『水を飲め』って言うの?」

そう疑問に思うお母様へ、まずは「なぜ医師は水を摂れと言うのか」という医学的な理由と、それでもなぜ現場のお子さんたちにはそれが逆効果になってしまうのか、自律神経と東洋医学の仕組みから分かりやすく解説します。

実際に一日2リットルの水を飲むのは健康な私たちでもなかなか大変です。

当院に来られた起立性調節障害のお子さんをおもちのお母さまから

「水を飲ませれないから良くならないんでしょうか?」と切実な声でご相談されます。

私のいつもお伝えしていることは「すべてはできる範囲からでOK」というものです。

水分を摂らせることは気温が上がっている日本ではとっても重要です。

ですが食事すらあまり摂れていない子供には酷だと思いませんか?


なぜ医師は「水を2リットル、塩分を多めに摂れ」と言うのか?

お母様、まずは病院の先生を悪者にする前に、なぜ先生たちが口を揃えて「水を飲め」と言うのか、その医学的な裏事情(理由)をちゃんとお話ししておきますね。

西洋医学のガイドラインにおいて、起立性調節障害(OD)という病気は、「自律神経のバグによって、下半身の血管がキュッと締まらなくなり、重力で血液が下に溜まって脳まで上がらなくなる病気」と定義されています。

脳に血液がいかないから、朝起きられないし、めまいや頭痛がするわけです。

では、これを解決するために、病院のお医者さんはどう考えるでしょうか? 彼らが持っている物理的な解決策は、とてもシンプルです。 「血管を締められないなら、飲む水を増やして、体の中の『血液の総量』そのものをつまり水増しして増やしてしまえばいい!」

これが、医師が水分と、水分を体内に引き止めるための「塩分」を大量に摂れと言う最大の理由です。 理屈としては、100%正しい正論なのです。


臨床現場の盲点:動いていない胃腸に水を流すと、体の中で「水毒」になる

お医者さんの理屈は正しい。……ですが、ここには臨床現場だからこそ分かる大きな盲点があります。

それは、「理屈は正しくても、実際のお子さんの胃腸は、今その大量の水を処理できる状態ですか?」ということです。

起立性調節障害のお子さんは、朝から自律神経のバランスが崩れているため、内臓(胃や腸)の動きも完全にストップ(お休みモード)しています。

東洋医学では、この胃腸のエネルギーが落ちている状態を「脾胃(ひい)の弱り」と呼びます。

お医者さんの言う通り、「血液を増やすためだから」と、内臓が全く動いていない(吸収する力が落ちている)ところに、冷たいお水やお茶を1.5リットルも2リットルもドボドボと流し込んだらどうなるでしょうか?

胃の中で水が全く吸収されず、お腹がチャプチャプと音を立てて溜まるだけ。 東洋医学ではこの状態を「水毒(すいどく)」と呼び、処理しきれなかった水分が体に溜まることで、かえって朝の「激しい頭痛」「めまい」「吐き気」「だるさ」を猛烈に悪化させてしまうのです。

お母様、ただでさえしんどいお子さんに「病院の先生に言われたノルマだから」と、水を無理やり飲ませて親子で傷つけ合う必要は、本当にないんですよ。


【要注意】良かれと思って「ポカリスエットを2倍に薄めて」飲ませていませんか?

ここで、多くのまじめなお母様が陥りがちな「最大の勘違い」についてお話しさせてください。

ネットの口コミやSNSを見て、「ポカリスエットは糖分が多いから、水で2倍に薄めて子供に飲ませています」というお母様が非常にたくさんいらっしゃいます。「薄めたほうが胃腸にも優しそう」と思いますよね。

ですが、プロの視点から言わせていただくと、起立性調節障害のお子さんに対してこれは完全に逆効果、大間違いです!

ポカリスエットなどのスポーツドリンクは、水分・塩分・糖分が、人間の体液に「最も素早く、最も胃腸に負担をかけずに吸収される黄金バランス」で科学的に計算し尽くされて作られています。これを水で薄めてしまうと、その完璧なバランスが完全に崩れてしまい、水分が胃腸から吸収されるスピードが著しく落ちてしまうのです。

結果として、せっかく飲ませても血液は増えず、動いていない胃腸の中にお水が溜まってチャプチャプするだけの「水毒」を悪化させてしまいます。

⚠️ ただし、こういう人には「2倍薄め」は有効です!

「でも、スポーツの現場とかでは薄めて飲むって聞くよ?」と思われたお母様、その通りです。 炎天下のスポーツなどで大量に汗をかき、胃腸がガンガン元気に動いている健康な人にとっては、糖分の摂りすぎを防ぎながら効率よく水分補給をするために「薄めて飲む」というのは非常に有効な手段です。

つまり、ネットの情報が間違っているわけではありません。「スポーツ選手用の工夫」を、自律神経が乱れて胃腸がストップしている「起立性調節障害のお子さん」にそのまま当てはめてしまうのが間違いなのです。

糖分が気になるからと、ポカリを2倍に薄めて飲ませるのは今すぐやめましょう。


明日からの新ルール:「ただの水」ではなく「体に染み込む水分(塩分)」を少しずつ

「じゃあ、水分不足にならないために、お母さんはどうやってお水をあげたらいいの?」

そう焦るお母様、大丈夫です。明日から「リットル」という数字のプレッシャーや薄めたポカリは一度忘れて、以下の3つのルールに変えてみてください。

① 糖分が気になるなら、最初から「OS-1(経口補水液)」にする

ポカリの糖分が気になる場合は、薄めるのではなく、最初から糖分が控えめで塩分(電解質)がしっかり入っている経口補水液を選んであげてください。これならバランスが崩れず、動いていない胃腸にも素早く吸収されます。

② 究極の水分補給は「鉄の茶碗で飲むお味噌汁・お出汁」

当院で最もおすすめしているのが、天然の昆布や鰹節からとった「お出汁(お味噌汁)」や「スープ」です。 実は、これらは水分・塩分・アミノ酸が、人間の体液に一番近い「最高のバランス」で自然に溶け込んでいます。

さらに、当院で推奨している「鉄の茶碗(南部鉄器などの鉄製の器)」にお味噌汁や温かいお茶を注じて飲めば、お茶や野菜のタンニンと鉄分が反応し、胃腸に一切負担をかけない「究極に吸収されやすい天然の鉄分水分」に早変わりします。

動いていない胃腸にもすーっと染み込んで、血液を増やし、内臓のスイッチを優しく入れてくれます。

③ 「コップ1杯」じゃなくていい。「ひと口」を小分けにする

「朝、お味噌汁を1杯も飲めません」というお悩みもよく聞きます。 1杯丸ごと飲ませようとしなくて大丈夫。枕元に温かいお出汁や白湯を置いておき、「気が向いたときに、ひと口すする」だけで100点満点です。そのひと口の積み重ねが、結果的に血管を潤していきます。


「飲ませなきゃ」とピリピリしてしまうお母様へ

「先生に言われた通りに水分を摂らせてあげられない私は、母親失格なのかな……」 ペットボトルの残りの目盛りを見つめながら、そんな風に自分を責めていませんか?

お願いですから、そんな風に自分を責めるのは今日で終わりにしてくださいね。

お子さんの胃腸が今、「そんなにたくさんの水を処理できないよ」とサインを出しているだけ。お母様の介護の仕方が悪いわけでは決してありません。

「2リットル飲ませなきゃ!」というお母様の張り詰めた空気は、お子さんの自律神経をさらに緊張させ、余計に胃腸をすくませて(動かなくさせて)しまいます。

「朝起きられなくても、お昼までに温かいスープをふた口、みくち(二口、三口)飲めたら大成功!」 それくらいのゆったりとした気楽な気持ちで構えてあげてください。お母様が笑顔で「温かいお出汁、ここに置いておくね」と置いてくれる安心感こそが、子供たちの自律神経をゆるめる一番の特効薬になります。


「水分の摂り方、これで合ってる?」と迷ったときは…

「スポーツドリンクの代わりに、どんなお塩を使えばいいの?」 /「うちの子が喜んで飲む、胃腸に優しいスープのレシピが知りたい」

お母様、一人でその水分の迷路に迷い込まなくて大丈夫ですよ。

当サイトのLINE無料相談では、

  • 今の段階のお子さんが、無理なく水分を吸収できる具体的な工夫
  • 当院が推奨する「鉄の茶碗」を活かした、毎日のセルフケア方法 など、飯沼先生の臨床経験に基づいた個別のアドバイスをたっぷりとお伝えしています。

お母様、あなたはもう十分に、一人で悩み、頑張ってこられました。 これからは、私たちがあなたの味方になります。

まずは、その肩の荷をフッと下ろすために。今の水分補給のイライラや不安を、以下から少しだけ私に分けてくれませんか?

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