【梅雨・低気圧】なぜ起立性調節障害(OD)は6月に悪化する?気圧に負けない身体をつくる3つのセルフケア

「5月まではなんとか遅刻しながらも登校できていたのに、6月に入ってから急に起きられなくなった」 「雨の日や台風が近づいている日は、頭痛やだるさがいつもの倍以上に強くなる……」

起立性調節障害(OD)のお子さんを持つお母様にとって、梅雨の時期や天気の悪い日は、いつも以上にハラハラする季節ですよね。

どんよりとした空模様と同じように、どんよりと暗い顔で泥のように眠り続ける我が子を見て、「せっかく少しずつ良くなっていたのに、また逆戻りしちゃった……」とガッカリしていませんか?

まず最初にお伝えさせてください。 6月に体調が崩れるのは、お子さんのサボり癖でも、体力が衰えたからでもありません。すべては「梅雨の低気圧」という巨大な天候のエラーが原因です。

今回は、なぜ起立性調節障害の子どもたちがこれほどまでに気圧や天候に振り回されてしまうのか、その医学的なメカニズムと、ご家庭で今日からできる3つのセルフケアをお伝えします。

① 起立性調節障害のお子さんは「6月」に一斉に悪化します

全国の起立性調節障害を扱う臨床の現場では、「6月に入ると、それまで落ち着いていた子たちの体調がドカンと一斉に悪化する」というのはもはや常識となっています。

  • 朝、どれだけ声をかけても全く反応しなくなる
  • 朝から激しい頭痛やめまい、強い吐き気を訴える
  • 午後になっても身体がだるく、1日中ベッドから起き上がれない

こうした症状の悪化を見て、親御さんは「自分の関わり方が悪かったのか」「せっかくの努力が水の泡になった」と自分を責めてしまいがちです。

しかし、これは「お母様のせい」でも「お子さんの意志の弱さ」でもありません。6月特有の「気圧の乱高下」と「高い湿度」が、自律神経のバランスを物理的に破壊しているだけなのです。

② なぜ?起立性調節障害が6月に悪化する最大の理由

6月にお子さんの体調がガタガタになってしまう理由は、大きく分けて2つあります。

1. 低気圧による「血管の広がり(血圧低下)」

梅雨の時期は、低気圧の塊が次々と日本列島を通過します。 周りの気圧(空気の圧)が低くなると、人間の身体は外からの圧迫が減るため、「血管がフワッと横に広がって(拡張して)しまう」という現象が起きます。

血管が広がると、ただでさえ低い血圧がさらに下がってしまいます。起立性調節障害のお子さんは、もともと朝の血圧を上げるのが苦手ですから、低気圧によって血管がダラリと緩んでしまうと、脳に血液を送る力が完全にストップしてしまうのです。これが、6月の朝に起き上がれなくなる最大の原因です。

2. 高い湿度による「体内の水分パニック」

梅雨の時期は、空気中の湿度が非常に高くなります。 人間は汗をかくことで体内の余分な水分や熱を外に逃がしていますが、湿度が高すぎると汗がうまく蒸発しません。

結果として、「身体の中に余分な水分がチャポチャポに溜まった状態(東洋医学でいう『水滞(すいたい)』)」になります。この行き場をなくした水分が、脳のむくみを引き起こして激しい頭痛を生んだり、内臓の働きを鈍らせて朝の吐き気やだるさを引き起こしたりするのです。

③ なぜ起立性調節障害の子は、ここまで気圧に「敏感」なのか?

「雨の日でも元気に学校へ行く子はいるのに、なぜうちの子だけこんなに気圧に弱いの?」と疑問に思うかもしれません。

その理由は、耳の奥にある「内耳(ないじ)」というセンサーの敏感さにあります。

人間の耳の奥には、気圧の変化をいち早く察知する「気圧センサー」が備わっています。天気が崩れて気圧が下がると、内耳のセンサーがそれを感知し、脳の自律神経へ「まもなく環境が変わるから、身体を警戒モードにしなさい」と指令を出します。

起立性調節障害のお子さんは、この内耳の気圧センサーが人一倍「敏感(過敏)」に不調を起こしている状態にあります。

ほんの少しの気圧のドロップ(変化)でも、センサーが「大変だ!大嵐が来るぞ!」と脳へ過剰にSOSの電気信号を送ってしまいます。その結果、脳の自律神経が大パニックを起こし、激しい頭痛、めまい、だるさといった暴走(気象病)が引き起こされてしまうのです。

④ 気圧の変化に負けない「身体の器」を作るには?

低気圧や梅雨の天候は、人間の力で変えることはできません。 だからこそ、私たちが目指すべきなのは、「気圧がどれだけ乱高下しても、それにビクともしない『身体の器(自律神経)』を根本から鍛え上げること」です。

病院の頭痛薬や昇圧剤は、今ある症状を一時的に抑えるのには役立ちますが、耳の奥のセンサーの過敏さや、自律神経の踏ん張り力を根本から治してくれるわけではありません。

大切なのは、自律神経の通り道である「首まわりや背骨の歪み」をしっかり整え、脳への血流ルートを常にクリアにしておくこと。そして、お腹(胃腸)の働きを高めて、体内の余分な水分をしっかり外へ排出できる身体を作っていくことです。

土台となる「器」がしっかりしてくれば、雨の日であっても、子どもたちの自律神経は自分の力で血圧をコントロールし、朝スッと起きられるようになっていきます。

⑤ 自宅で今日からできる!梅雨を乗り切る3つのセルフケア

気圧の爆弾が降ってくる6月を少しでも楽に乗り切るために、ご家庭で今日から実践できる3つのセルフケアをご紹介します。

ケア1:耳の気圧センサーを和らげる「くるくる耳マッサージ」

内耳の血流が悪くなると、気圧センサーが過敏になり、脳がパニックを起こしやすくなります。耳まわりの血流を物理的に良くしてあげましょう。

  • やり方:
    1. 両方の耳たぶを軽くつまみ、上・下・横へとそれぞれ5秒ずつ引っ張ります。
    2. つまんだまま、後ろ方向に向かって大きく5回、くるくると回します。
    3. 耳を包み込むようにして、手のひらでペタッと蓋をし、ゆっくり円を描くように10秒間マッサージします。

朝起きたときや、夜寝る前、または「あ、天気が崩れてきそうだな」というタイミングでお母様が優しくやってあげると、耳のセンサーの興奮がフッと収まり、頭痛やめまいの予防に繋がります。

ケア2:体内の余分な水分を出す「除湿の食養生」

身体の中に水分が溜まる「水滞(すいたい)」を防ぐために、おしっこや汗として水分を外に逃がしてくれる食材を日々のメニューにプラスしましょう。

  • おすすめの食材:
    • きゅうり、スイカ、冬瓜などの瓜類: 身体の余分な水分を強力に排出してくれます。
    • ハト麦茶、アズキ、トウモロコシのひげ茶: 東洋医学でも「水抜き」の名医とされる食材です。普段のお茶をハト麦茶に変えるだけでも効果的です。

逆に、冷たいジュースや甘いお菓子、脂っこいものは体内に水分を溜め込みやすくし、胃腸を冷やして症状を悪化させるので、この時期は少し控えめにするのが正解です。

ケア3:エアコンの「除湿(ドライ)機能」を賢く使う

「室温」ばかりに気がいきがちですが、起立性調節障害の子どもたちにとって本当に恐ろしいのは「湿度」です。室内の温度が適温でも、湿度が70%を超えていると、自律神経はそれだけで大きなストレスを感じます。

  • 家庭での対策: 部屋のエアコンを「除湿(ドライ)モード」に設定し、室内の湿度を常に「50%〜60%」にキープしてあげてください。部屋の空気のジメジメが消えるだけで、皮膚からの発汗がスムーズになり、自律神経にかかる負担が劇的に軽くなります。

雨の日のダルさを、一緒に乗り越えていきましょう

6月の不調は、お子さんの成長の過程で避けては通れない「天候との戦い」の時期でもあります。

「また起きられなくなった」とガッカリするのではなく、「あぁ、今日は低気圧の爆弾がすごいから、身体が頑張って耐えているんだな。午前中はゆっくり休ませよう」と、お母様が大きな心で受け止めてあげてください。その安心感こそが、何よりの自律神経の特効薬です。

当院のLINE無料相談では、

  • 「雨の日の朝、どうしても頭痛が酷いとき」の緊急セルフケア法
  • 低気圧に負けない自律神経の底力をつけるための骨格・体質改善アプローチ

など、全国の多くのお母様方からのリアルな気象病の悩みに個別にお答えしています。

梅雨のどんよりした季節の先に、お子さんが笑顔で朝を迎えられる未来が必ず待っています。一人で悩まず、まずは私にその不安を打ち明けてみませんか?

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